carcon999のブログ

12年間Y!ブログの記載を移行しました。電子工作関連の記事が多いです。

3Dプリンタを壊して修理した話

■概要
先日、3Dプリンタを壊してしまいました。最終的には、サポートを頼りなんとか復活しています。そこで、得られたノウハウを記事にすることにしました。
結論は、一番最後に書いてあります。(途中飛ばしたい方はどうぞ)

■はじめに
私が利用している3Dプリンタは、AfiniaのH400です。1年前に購入しました。それまでは、Bonsai LabのBS01+を利用していましたが、H400の安定した出力に惚れて購入です。個人的な見解ですが、H400は、本体の性能と付属するスライサーソフトのバランスが良いのが使いやすさの理由だと思います。サポート材が非常にはがしやすいです。

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※H400本体です。BS01+に比べると少し大きいのですが、全体が箱で覆われているので、外気に左右され難く印刷品質が非常に安定しています。

■現象(印刷失敗した・・・)
H400での印刷回数は、50回/年程度です。印刷に失敗することは稀で、覚えている範囲で2回です。非常に優秀です。

先日、印刷時間が3時間程かかるものを出力する必要がありました。
H400は安定して出力できるし、印刷ボタンをポチっと押して、
外出(★これが、そもそもの失敗原因)
することにしました。

・・・時間経過

外出から戻ると、プリントが1/3くらいの出力で止まっています。
途中で何が起こったのか分かりませんでした。もじゃもじゃも出力されていません。失敗品を取り出し、再プリントするもフィラメントが押し出されません。

■修理するかぁ・・・
まあ、経験上フィラメント詰まりなので、慌てることなく分解してフィラメントを取り除けば万事OKとたかをくくっておりました。

エクストルーダー分解は、4,5回経験しているので、過去の記憶でなんとなくネジを外して問題個所の部分まで到達しました。問題個所の写真はありませんが、フィラメントをギアにひっかけて押し出す部分で、フィラメントが大量に削られて、削りかすがギアに付着している状況でした。

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■原因を考えてみる

以下のようなことが推測できます。
①ノズルの先がつまり、押し出しが空回りし空転し続けた。
②フィラメント径が細い部分があり、ギアの掛かりが悪く、空転しつづけた。
③フィラメントのスプーラーが引っかかり、力不足で空転しつづけた。

いずれにしても、エクストルーダーのノズルは、フィラメントを押し出すことができずに、高温でその時間焼かれていた状況だったと思われます。

■対処方法を考える

それを考えると、ノズル内は、長時間焼かれた焼きカスが詰まっている可能性があるので、ノズル内の清掃を行うことを考えました。

ノズルの径は0.4mmであり、その先頭がもし詰まっているのだとすると、別でかんがえなければなりませんが、ノズルの先は未使用品のスペアがあります。なので、そこは諦めます。(結局は悪くありませんでした)

そこで、ヒーターに近くフィラメントを溶かしている通り道をクリーニングする必要だと判断しました。

某サイトで、H400のフィラメント詰まりを取り除く方法についてまとめられているところがあり、そこの指示では、フィラメントの通り道の直径が2.0mmなので、
2.0mmのドリルを通して(ここも失敗の原因)
綺麗に貫通させる記載がありました。

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2.0mmに2.0mmなので遊びがありません。過去の作業では、1.0mmのドリルで多少のゴミ掃除を行ったことはありましたが、
『今回は、焼きカスが大量に詰まっている可能性もあるから、綺麗にするために2.0mmで綺麗にスッキリしよう!』

■クリーニング作業開始!

手持ちの100均の2.0mmピンバイスでやり始めました。はじめは順調なのですが、中間地点で引っかかりがあります。これが焼きカスか?と力を入れますが、進むことができません。

じゃあ、熱を加えて熱い状態でやったら・・・(ここも失敗の原因)とヒーターに接続し、熱を加えて、ある程度温まった状態から、ピンバイスを入れて回すと、変化なし。もう少し力を入れると、ギジギシ音を立てて回る。
けど・・・
あれ?空転?orz 終わった。

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※これ以上いろいろやると、ヒーターも壊しそうで簡単には抜けない。

ドリルの刃が、噛んだのと、フィラメントが接着剤の役目を果たしてしまったのでは?と思います。

ということで、手持ちの工具では対応できずに、ここまでの作業に5時間を費やした時点でギブアップ。

■次なる手段は交換だ!

マルっと交換すれば、おそらく解決すると思うので、交換品のエクストルーダーを検索すると、簡単に見つかりましたが、3万円。うん~~~~~~きつい。

ヒーターのモジュールだけなら、1.2万円。うん~~~~~~。

■最後の頼みの綱はサポート

そいえば、購入してからギリギリ1年のタイミングであることを思い出しました。

サポートに連絡(メール)すると、全部送れば見てくれるとのこと。

この時点で、エクストルーダーの全交換費用に、諭吉3枚を覚悟しました。基本的に、3Dプリンタは自己責任の割合が高いですから。まあ、それでもオーバーホールしてもらったと思えばいいかなぁと自分に言い聞かせてお願いすることに。

抜けなくなったドリルを入れたまま発送するのって、恥ずかしかったのですが、そんなことを言っている場合ではありません。

運よく、廃棄せずに残しておいた段ボール箱に本体を入れて発送しました。

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※余談なのですが、このトラブルの2,3日前に『この段ボールを廃棄して良いか?』妻に尋ねられ、『もう壊れること無いだろうから、いいよ~』と伝えていたのですが、ゴミの日が天気が悪かったらしく保留されて延命されていたのは幸運でした!

■嬉しい返信

サポートには、水曜に到着し、木曜に見てくれたらしい。メールで返事があり、バランスが悪くなってたから修正しておいたよとの連絡。金額のことが書いて無かったので、費用は・・・と確認すると、

「保証期間なのでサービス」

うわぁ、ありがてぇ~。まじ神じゃねぇ。送料だけで修理してもらいました。
しかも・・・1年の保証期間終了まで、残り3日とかギリギリのタイミングでした。本当に嬉しい。

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■まとめ(教訓)

恐らく、普通にみなさんは、試されていることだと思いますが改めて実感しました。

・3Dプリンタ印刷中は、近くを離れないこと。
 ->失敗が確認できたら即停止。

・保証があるなら、サポートに相談した方が良い。
 ->自己解決で時間やお金をかけるぐらいなら連絡相談が良い。

・ノズルの掃除には、遊びを持たせたドリルを使うこと。今回の場合1.8mm
 ->内側傷つけたら印刷品質にも影響ある。

ということで、AfiniaのH400とサポートは良かったよって話です。
あと、1年くらいは現役で活動してくれると思います。

2.0mmに2.0mmはやめましょう。1.8mmは、100均やDIYショップではレアなアイテムなので、他で探しておいたほうが良いです。当方は、これ(Amazon)を買いました。

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